tsukumo

2021年11月16日火曜日

ひょんなことから美術館に入って絵を見た話 (芸術ですらお金は大事だな)

 この間、散歩をしていると美術館を見つけたので覗くと学芸員さんでしょうか、スタッフの方が本日は入館無料ですとラッセンの絵みたいな呼び込みをしてらっしゃったので時間もあるし見てみるか、となりました。

その美術館は、公的機関で全く怪しくはないのですが。

入館には、コロナ下の定番である体温を測って連絡先と氏名を書くという善意に頼ったチェックを受けます。

私は、まったく絵心がない、と自分では思っています。また、他人の描いた絵を見ても心を揺り動かされたことは一度もありません。

幼少の頃は、両親にいろいろと美術館に連れていかれたのですが、私は見込みがないと判断されたのか、いつしか留守番係になりました。

などと子供の頃の事を思い出しながら、美術館に入るのは恐らく数年ぶりくらいだよねなどと考えます。

さて、美術館に入ると順路通りに進みます。美術館の中で何が繰り広げられているかは全く分かっていません。

どうやら、吉田博さんという方の特別展という事らしいです。

まず、私は絵の鑑賞の仕方がわからないわけです。周りの人を見ると絵の横の解説を読んで、フムフムとしながら絵に近寄ったり離れたりしながら眺めているので私も真似してみます。

例えば、これが私の知っている画家の絵だったら多少なりとも心の底からフムフムと、したり顔の一つでも出来たでしょうが、吉田博さんとは誰だかわからないわけです。

ただし、特別展が開かれるような大人物であることは間違いないのでしょうが。自分の無知を呪います。

順路通りに進み、真面目に絵の横の解説を読んでいきます。どうやら吉田博さんは関東大震災前後で活躍した画家さんらしいというのが判ってきます。

最初のうちは「筆で描いた油絵」でしたがどんどんと作風が変わっていきます。

そして、吉田博なる人物はアメリカに渡って版画を売ることになったらしい。

その頃の絵(版画)は初期の作風とは全く違う、ある種現代的な部分すらある作風になっていきます。

版画と言えばラッセンです。(笑)というのは冗談ですが、当時からすれば画家公認のコピー(ガチ勢から怒られそう)である版画というのは一点モノの絵画と違って何枚も刷れるわけですからビジネスとして最先端だったのかもしれません。

この版画も彫師と刷り師とチームでやっていたそうで、同じ版画で刷り方を変えて朝昼晩のバージョンを作ったりと結構凝っています。

さらに作風が変わっていきます。今度は山岳の絵を筆を使って書いてらっしゃいます。初期の頃のこってりとした油絵とは違い若干淡い色調の絵が多くなっていく印象です。

恐らく、版画時代が全盛期だったのもありその流れで淡い色調になったのかもしれません。

さらに、戦時中になったのか中国や韓国(当時日本が占領していた)の絵が多くなっていきます。この頃の絵は失礼だから印象は言わない方がよいでしょう。

展覧会を一通り見てから、階を変えて吉田博の半生のビデオ上映を見ます。

当時の日本の画壇は留学したりお手本にするのはおフランスだったそうですが、吉田博はアメリカに行って、勉強するんじゃなくて絵を売ってくるというサラッとおかしなことをやってのけています。

ヨーロッパの影響を受けた画家が主流の日本で、アメリカである程度成功しちゃってる吉田博は何度か衝突したらしいです。

まあビジネスとしてうまくいってるので、フランス最高とか言って群れている人に迎合する必要もなかったんでしょうね。

美術品は、その作品を手に取った人が大切に保管してくれることによって価値が出ると私は思っています。

後世になって実物がない美術品は意味がないからです。なんなら、弥生時代の誰が作ったかわからない土器だって今となっては貴重な資料、美術品であるともいえるわけで。

そういった意味でラッセンのように大量生産してる絵は、その大量生産故の保管状態の良さで数百年後に評価される可能性もあるわけです。


芸術も突き詰めていくとビジネスになってしまいますね。需要を創出できなければ、評価すらされない。
















2021年11月8日月曜日

米国株式のパフォーマンスを見ると日本株メインの私は劣等感を感じる話

 この記事を書いているのは、2021年11月8日です。

2021年に入ってから、私は少しだけ海外株をいじるようにしたのですが、米国株は巷で言われているように本当に強いですね。

私は、基本的には日本市場しか触らないできました。

理由は、まず、日本円で生活しているので為替レートを気にせず(会社の業績には関係しますが)取引できて日本円で利益は直で貰える。(損する時もありますが)

二つ目に、日本株の方が配当として魅力的であった。

三つ目、外国株だと税制が複雑で、払いすぎた税金(外国との二重課税)を還付してもらうにはそれ相応の手続きが必要で将来年老いた時に対処できそうもない。

四つ目、日本企業だから企業情報を調査するのが比較的容易、さらに証券税制など改正があった場合もすぐに理解できる

というように私が日本株をメインにしてる理由というのはあるのです。

ここ十年くらいは右肩上がりだったので日本株のパフォーマンスは悪くなかったと思います。

さて、米国個別株を最近になって触るようになったのですが、率直な感想としては、まあ、よく上がりますね。私が適当に買った某IT企業は私の買値から一年弱で30%くらい上がっています。50万円分くらいしか買ってないので大した含み益ではないですが。

インターネットの自称株の専門家が米国株を薦める理由がよくわかりました。

同時に、私の今までの投資行動は正しかったのか?という疑問も出てきますが、もう今更、日本株が主力である事を修正できるわけもないのです。

日本株の配当もひと頃に比べるとソコソコの売上、利益がある会社で配当もいい会社を探すのが株価が全体的に上がったことによって難しくなってきてますしね。

外貨で海外株を少量だけ持っておく方向で考えています。ついこの前までは日本円の価値が外貨に対して減価するなんて考えたことも無かったですが、世界の中での日本の立ち位置も変化していますし日本がインフレになると考えた場合の理由は円安が一番可能性が高いですからね。

それでも、今のところ、私にとっては日本株の方が都合がいい市場ですね。外国株はリスクを抑える感じですね。