tsukumo

2021年3月26日金曜日

ヒロイズム

 この記事を書いているのは、2021年3月26日です。


3月の配当取りの季節です。気候も暖かくなってきました。

今日のお題は、雇用ですね。

最近は、ジョブ型雇用を採用する企業も出てきたり、トヨタ自動車が終身雇用は維持できないという発言があったり、当の企業に勤めてる人からは将来の不安が出たり、ネット上ではFIRE(早期リタイア)のステマ記事が溢れてたりと、人間と雇用というのは、一番の悩み事だよな、と思うわけです。私は無職ですが(笑)

まず、私の人間観から話すと、個人の考えですが、天才と凡人の能力的差は、誤差範囲しかないと思っています。

例えば、ある程度能力のある人を集めれば、その能力差には倍以上の差なんて生まれないと思っています。

例えば、野球でいえば、イチローさんは凄い選手ですし尊敬もしてますが、他のチームメイトと比べて倍以上の結果を残していたかといえば、客観的に言えば否定的にならざるを得ないような気がします。イチローさんが打率4割で他の選手が打率2割なんていう事は、ほぼあり得ないわけです。

学力の偏差値にしても、下は40台でしょうが、上は偏差値80なんてことはほとんどないでしょうから、能力差に倍以上が出ることはほとんどないことだと思っています。

最近は、企業の人事で、成果主義的なモノを要求する人が多いですが、無職の私が言うのもなんですが、そりゃ、自己評価が高すぎやしないか?と思うわけです。

社会が個人主義的になっていってるのも理解できますし、若い方は、自分の能力は他人より優れてるから優遇されるべきだと思い込むのも多少は理解できます。


というものの、ある分野で他を圧倒するくらいの能力差を見せつける人もいますが、そういう人は、一生に一回出会うか出会わないか、くらいの確率だと思います。

さて、経営サイドからみると、事業の安定性の観点から考えても、一人のヒーローを待ち望むような経営は避けるべきで、何人かのチームで事業を成し遂げて欲しいと願うのが普通だと思います。

例えば、1億円の必達売上目標があったとします。経営者として、一億円を売り上げられる営業マンを一人雇うのと、2000万円を売り上げれる営業マンを5人雇うのとを比較した場合、リスクヘッジを考えた場合、営業マンを5人雇う方を選択するのが一般的だと思いますし、賢明な選択だと思います。

もっと言えば5人の営業マンに予算を2500万と言えば、そのうちの何人かは、本当の予算の2000万よりも多く売ってくるでしょうから、会社の利益に上乗せできますし、多少ボーナスでも出せるでしょう。

役割分担をしてチームでミッションに取り組むのが日本の強みだったように思いますが、時代なのか個を潜めて、チームの一員として行動するのが嫌な人も増えてきていますよね。さらに、グローバル化で、(優れていると思い込んでいる)ヒーローのいる海外企業が台頭してきていたりすると、ある程度の人材を多数抱えているより利益率も効率も良く見えてしまいますからね。ヒーローがいた方が華やかですしね。

人事とか、雇用の制度は、企業にとって、根幹ですからね。

事業内容が、何をやってる会社かを表すように、人事制度は、どういう会社かを表すようなものですからね。


将来的な事業環境が不安定になれば、経営者も事業継続のために、人事制度も変えようと思ってしまいますよね。

個人主義的な仕事になると、権限も集中してしまいますし、ともすれば不正の温床になる可能性もありますよね。とある官僚さんが、天才だ、凄いとおだてられた(本人の著作などを見る限り、そこまで深い理解があったとは思えませんが)末に、関係者とご飯を食べて退職になったりとかですね。

これが、チームで動いていれば、チームの一員から苦言の一つでも出ていて、悲惨な退職にならなかったかもしれません。


といっても、雇われている側からすれば、私はこんなにやってるのに、全く仕事ができない(個人的には誤差ですが)誰々と比べて給料が少ない、とかになってしまいますよね。


自分の能力に自信がある方は、お金を借りて起業して自分の力を試すべきですよね。そして大体は3年以内に廃業するので、自分の能力の無さに絶望して暫く泥水をすするような生活をするのも一考かとおもいますよね。


それでも、起業してうまくいく人もいるわけで、運も大事ですね。































2021年3月20日土曜日

読書感想文 2

 この記事を書いているのは、2021年3月20日です。

昨日は、日銀金融政策決定会合で、債券金利の幅が少し広がったり、ETF買いに対するスタンスが変化したりとマーケット参加者は、それぞれ思うところがあると思います。

本日のお題は

「倒産の前兆 帝国データバンク情報部 著」の読書感想文です。

株式投資をしていると、たまに、というかよくと言ってもいいですが、市場から退場する企業に出くわします。ある時は、あんまり知らないような企業が債務超過で倒産したり、なんとか会社を買い取ってもらったりという事が、日常にありますし、たまによく知っている有名企業もやらかしてしまう事もあります。

私の仕事柄(無職ですが)、長期で企業の株を持つことが多いですが、一番イヤなのが、企業倒産ですね。

株式投資の基本システムからいえば、最終的にすべての責任をお金で取るのは株主というルールの上に成り立っていますので、仮に企業が倒産したら、その保有株は、紙屑以下、データから消えて無かったことになりますし、基本的には株式に出資した分のお金は返ってきません。

私は、今までに倒産した会社の株を持っていたことはないですが、それはただ運が良かった、だけとも言えます。

というわけで、株が上がる企業を普段は探しているのが投資無職ですが、倒産する企業について少し考えておいた方がより賢明だろうという事で、この本を取った次第です。

この本の内容は、一言でいえば、倒産した企業の事例集です。倒産企業だからといって、創業以来事業が上手くいってなかったという事はなく、むしろ、事業が軌道に乗っていたのにかかわらず、債務超過に陥り、金融機関にも見捨てられて、買収交渉も決裂して倒産に至るわけですが、その過程を淡々と紹介していく本です。

ただの事例集ですが、センシティブな人が読むと気持ち悪くなるかもしれません。5ページとか8ページで一社潰れていくストーリーが連続して綴られていくわけですから。

日本海洋掘削が潰れたのとか、知りませんでしたし、江守グループも潰れてたんですね、というくらい、投資無職にとっては市場から退場した企業には興味がなくなるんだ、と実感しましたね。



ここからは、全体を通しての私の感想ですが、当然ですが、創業何百年の会社でさえ潰れるときは来ます。今、絶好調の企業でもいつかは潰れるのでしょう。

企業にとっては、真っ当に企業活動、経済活動をするのは当然のこととして、社会や行政制度、顧客のニーズ、ありとあらゆる事業環境に影響を受けます。この事業環境というのが、企業が生きるか死ぬか、の分かれ道になるわけで、如何に時代、事業環境に対応できるか、というのが老舗企業になれるかどうかの分かれ道なんだと思います。

そして、事業環境に対応して何十年、何百年と事業内容を変化し続けても、何かの拍子で時代に合わない時が来るのだと思いますし、その時が企業活動の終了になる時なんでしょう。

事業内容の変化についても、時代や事業環境に対応するつもりで事業内容を変化させようとしても、それが不正解だと、即、退場になる場合も多く、企業運営は非常に難しいですね。

昨今だと、SDGsだったり、環境負荷の問題、次世代のエネルギー問題、食料問題、電気自動車、など事業環境の大幅な転換を求められている企業は多いように思います。上手に、新たな事業を創出できれば、企業は生き残りますし、対応できなければさようならの厳しい世界でしょう。

日本企業は、アメリカの企業と比べ、事業環境に対応して事業内容を変えて生き残るところが多いように思います。アメリカは一山当てたら稼ぐまくって、事業環境が企業に合わなくなったらさようならが多いように思います。Microsoftとかアップルとかは、環境に対応するようになってきていますが。

こういう周りの環境によって影響を受けるのは、なにも企業だけではないですし、企業人でも30年以上の勤労年数の中で、色々と変化があるわけです。例えば、パソコンで資料作れ、だとかハンコは廃止だとか、飛び込み営業は難しくなって反響営業メインになったり、と。投資無職にしても、投資に課される税金が変わったり、日銀やGPIFの金融緩和や日本株の買い入れ額や比率の変化なんていうのは、よくある事です。

個人だとしても、自分はちゃんとやってるかを時折チェックしないといけませんし、周りはどうなってるのかを注意深く観察しないといけないでしょうし、それに合わせて変化し続けないといけないんだと思いました。

感想文だけに内容の説明よりも私の勝手な感想の方が多くなってしまいました。

内容は、あくまでも倒産企業の事例集です。




hontoという書籍サイトは、超おすすめですね。大日本印刷が運営しているという事業環境に合わせて変化した賜物の書籍サイトだとも言えますね。




















2021年3月13日土曜日

読書感想文 1

 この記事を書いているのは、2021年3月13日です。

日経平均は3万円を割ってしまいましたね。いろいろと考えさせられる相場ですね。

本日から、新シリーズで読書感想文シリーズをやろうと思います。続くかはわかりませんが(笑)

第一回は、「生涯投資家 村上世彰 著」です。

私は、所謂、「投資家」が書いた本はほとんど読まないようにしています。理由は、変なバイアスがかかってしまうからですね。この本のほかにもう一冊、イギリスの財務長官か何かをしていた方(全く覚えていない)の書いた本を読んだ覚えがあります。あと、〇空さんのFXムックは読んだことありますね。(笑)

そんな考えの私が、稀代の投資家(?)でインサイダー取引で逮捕されて、最近では娘さんが旧村上ファンド系として投資ニュースのヘッドラインに登場する界隈のど真ん中の村上さんの本をなぜ、手に取ったか。理由は、気分ですね。適当です。

本の中身は、というと投資に対する具体的な方法論は書いているわけでもなく、基本的な考え方(実は重要ですが)が少し書いてあるだけで、村上さんが、投資をなぜ始めて、もの言う投資家になったのか、彼の表面上の信念とそれに対する自己評価の一冊のように感じました。

村上さんは、お金を増やすのが好きな少年だったそうで(父親の影響もあって)、自分で投資をするようになったのですが、官僚になる頃には、コーポレートガバナンスの研究をしだして、企業と株主の関係を正常にしたいと思ったそうです。

中盤は、世に出た彼の投資案件たちに対する自己評価ですね。彼にとっては失敗、悔しい思いのオンパレードだと言っていますが、投資としてはほとんど儲けてエグジットしているみたいですね。では、何に悔しい思いをしたか、「自分の信念であるコーポレートガバナンスを受けいられてもらえなかった。」という事でしょうね。

現在の日本のマーケットでいえば、コーポレートガバナンスもスチュワードシップコードも一応存在するわけで、村上さんが、その半生をかけて訴えて、戦って、微妙な理由でインサイダーで罪に問われたのも現在そうした制度が採用されている一因ですし、現在の参加者は少しは彼に感謝しないといけないと思いますね。


で、ここからは底辺投資家の感想ですが、官僚さんって会社の社長と会食するんだな、という事や、投資対象の経営者やら従業員、既存株主に直接会いすぎるのもリスク高いな、ですね。ネットの画面越しでやってる投資家とリアルで企業調査してる投資家とでは、全く違う人種ですな。

ちなみに解説は、池上彰さんが書いています。どう取るかはそれぞれですね。

あとは、本全体としては、本人談なので、どこまでが正しい情報かは調べようがないですね。

読み物としては面白くて、サラッと読める本でした。