この記事を書いているのは、2019年3月6日です。
最近、景気は良いですか?
タクシーに乗ったり、美容院にいったりすると、運転手さんや美容師の人と、景気の話になったりすることがありますよね。
そういう時の返答として正解なのは、「まあまあです。」「ぼちぼちでんな。」だと思います。
個人の感じる景気っていうのは、例えば、バイトの時給があがっただとか、いつも買っているアイスクリームの値段が上がったとか、身の回りの事に影響を受ける気分的なものですよね。
タクシーの運転手さんと景気の話をする場合は、身の回りの個人的な気分を言えば良いのですが、投資をしている人にとっての景気は、少し違いますね。
株式投資をする場合、企業の決算やIRなどを見て企業の個別の状態を判断します。これは、あくまで企業個別の状態で、日本全体の景気は、日銀や経済産業省、総務省統計局、内閣府などから、所謂、経済指標として発表される物で判断されます。
日本の場合、お役所が発表する経済指標が多すぎると、個人的には感じています。
投資をするにあたって、数多の経済指標をまじめに一つづつチェックして精査していくのは、得策ではないと思います。
これが、職業が、経済学者で、株式投資に無縁であれば、沢山ある経済指標を精査して、研究するのも素晴らしいことですが、個人投資家で、経済動向を研究するのが仕事ではなく、マーケットから少しばかりのお金を引き出すことが目的の人種にとっては、全ての経済指標に目を通す必要はないと考えています。色んな役所から同じような経済発表が、とびっきりのポエム付きで発表されるわけで、実際に株などを売買する人にとっては、ノイジーになりがちです。
今日は、私個人が、日本の景気を考える上で最低限、チェックしている経済指標、ベスト3についてです。
第一位:鉱工業指数
日本は、鉱工業の良し悪しによって、お金の回り(景気)が左右されます。鉱工業に従事している労働者の貰う賃金の比率が高いでしょうし、企業間での取引、その他もろもろに波及します。
主に、
・生産出荷指数
・在庫指数
・生産能力指数
・稼働率指数
・製造工業生産予測指数
から構成されています。
公表日は、速報が月の後半で確報値が月の真ん中になっています。
鉱工業指数は、他の経済指標に比べてポエム率は低く、できるだけはっきりとした口調で表現されます。
たとえば、2月28日の速報値のコメントは
というように、調子悪いと書いてくれます。
景気動向を知りたいのであれば、鉱工業指数は、マストです。
第二位:消費者物価指数(CPI)
日銀の金融緩和政策の根拠になっている指標です。日銀は、デフレから脱却させるために金融緩和を続けていますし、現在はインフレになりましたが、次は2%の安定的インフレになるまで金融緩和を続けるという事です。
つまり、景気が良ければ、物価が上がる可能性が高いので、現状を把握するのに役に立ちますし、日銀の金融政策の今後を占う上で重要な指標です。
余談ですが、CPIには
・総合CPI:消費者に関わりのあるもの・サービスの物価を総合的に表したもの
・コアCPI:総合CPIから生鮮食品の物価を除いたもの
・コアコアCPI:総合CPIから「酒類を除く食料及びエネルギー」を除いたもの
というのがあり、日銀の採用しているCPIは、生鮮食品を除いたコアCPIですので、庶民感覚では、スーパーに行くと物価が高騰してる感覚ですが、日銀発表の場合は、まだまだ、インフレは安定してないような発言で、庶民感覚とずれているのは、その為だと言えるでしょう。
(個人的見解ですが、金融緩和をやめないためにコアCPIを採用したとも言えなくもないのでは?)
日銀の事ばかり書いてしまいましたが、消費者物価指数を管轄するのは、総務省統計局です。あと、東京都区部の統計であり地方は含まれていませんが、日本の縮図の東京での調査であり速報性も高いことから見ています。
公表日は、大体、月の真ん中辺です。http://www.stat.go.jp/data/kouhyou/e-stat_cpi2019.xml
第三位:日銀短観
正式名称は全国企業短期経済観測調査です。日銀独自調査の指標です。調査対象の企業が
自社の業況や景気動向についてどう思っているかをまとめたもので、まあ。ポエムとも言えなくないです。私はポエマーなので、ポエム指標も入れておきました。
公表予定は、リンク貼っておきます。https://www.boj.or.jp/announcements/calendar/index.htm/
日銀短観よりマネタリーベースの方が重要だろ!とかいろいろと意見はあると思いますが(笑)
投資家の間でも時代によって、経済指標の流行みたいなものがあって、例えば、米国雇用統計などは、月初の金曜日の発表日になると為替が変動するので、注目度が高かったです(最近では変動幅は小さくなっているらしい)。雇用統計の前は、ISM製造者指数が注目度が高かった時期もあったみたいです。
全体の景気と個別企業の状態に差がある場合、個別株は、景気の状態に引っ張られることが多いわけで、個別企業のキャッシュを生み出す能力が、景気後退期でも変わらないのであれば、それはその企業を買うチャンスでしかないわけです。ただ、景気が良くなっても
誰にも気づいてもらえず、株価だけ低迷することはよくありますが。
そういった意味でも、経済指標を見るのは有意義です。
また、経済指標に付随して発表されるコメントと指標の数字を照らし合わせて、素晴らしい言い回しを見つけるのも趣味としては良いかもしれません。
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